彼岸の友人

あなたの人生を豊かにする情熱占い師、羽奏です。

そろそろお彼岸ですね。

さて。今日は昔話。

先日、アナザースカイに平井堅さんが出て居りました。

特別ファンでもないのですが、この人がデビューして鳴かず飛ばず、クビ直前にヒットした「楽園」は思い入れがあります。

ヒットして歌うのが怖くなってニューヨークに渡り帰国して14年。と平井さん。

ほう、ではあれから14年以上もたったのだな…

・・・・・

当時、羽奏が勤めていた店で、「楽園」が大好きな同僚がいました。

カラオケの定番で、いつも情感たっぷりに歌っていました。

同僚には数年付き合っていた大好きな彼女がいましたが、ある日別れを告げられてしまったのです。

彼女には次に好きな人が出来ていた様子、薄々気づいていた同僚は、せつないメロディー、別れの歌詞の楽園に感情移入していたのでしょう。

いつものように仕事を、終え帰宅した後に同僚から電話がかかってきました。

「楽ちゃん!今から海見に行かん?」

珍しいお誘いでしたが、寂しいのだろうなと、付き合うことに。

何を話すでもなく大阪の海を眺めていただけでしたが。

ふと同僚が口を開きました。

「死にたいなあ…皆んなで死ねたらいいなあ~」

羽奏

「うーん、身体が二つあったら一緒に死ぬけどなー残念やなーまだやりたいことあるしなあ」

「そやな…」

そのまま帰途に着き、何事もなく次の日の出勤。

いつもと変わらぬ様子の同僚でした。

そして…

仕事終え帰宅後ひと眠りした後、電話がかかってきました。

店のマネージャーでした。

「落ち着いて聞いて。◯◯(同僚)が昨日の帰りにバイクで事故って亡くなってん」

あ…

自殺だ、と思いました。

走行中、携帯電話を片手に持っていたようでハンドルミスでガードレールにぶつかり、そのまま側道に投げ出されていたのだと。

同僚のその時の感情が入ってきました。

着信があり電話で喋ったあと切り、ふと魔が差した。

このまま死んだらどんなにかラクだろう?

その時には目の前にガードレールが迫っていて身を任せてしまった。

すぐラクになれるかと思ったけれど、身体中が痛い…しばらくして救急車に乗せられ、救急隊が搬送先を慌てて探している。

ここもダメか!

そんな声が聞こえる。

もう、いいんだ、自分は助かりたいと思わない。

実際、どこも病院がいっぱいで、最後の受け入れ先に辿り着く直前に息を引き取ったのでした。

電話をした幼馴染の女の子は自分のせいだと泣きじゃくっていました。

いや、そうじゃないだろ。

あれは自殺だ。

そう。

表向きには事故

限りなく自殺に近い…

ちょうど週末だった葬儀。

月曜日、店のメンバーはいつも通り出勤をしお客様を迎え。

お客様には同僚が亡くなったことは伏せることに。

人は悪くないのに酒癖が悪く、ちょっとみんなからケムたがられていた常連のお客様がやって来ました。

珍しくオーナーが相手をし、気分が良くなったお客様、

「よし!皆んなでオカマの店に行くか!」

気分が晴れないメンバーはそのお誘いに飛び付きました。

賑やかなトークのニューハーフやオネェたち。

お酒も進んでカラオケが入りました。

客「楽!歌えよ!」

羽奏「ハイッ!平井堅の楽園歌いますッ!」

同僚への手向けへと歌いはじめましたが、サビの部分でどうにも涙が止まらなく。

…見ると周りのニューハーフたちも顔を隠して泣いていました。

同業者には他の店の情報など直ぐに伝わってしまいますから。

私達の気持ちはわかっていたのでしょう。

状況を知らないお客様だけ。

???

帰り掛け、何も知らないお客様に、店のメンバーは一人一人深々と頭を下げ、心から感謝したのでした。

いつもと違う対応に頭をひねりながら帰って行ったお客様(笑)

・・・・・

あれから14年以上。

ちょうど同僚が亡くなったのもこの頃でした。




(楽園サビ)

消えてく蒼い空の影 降り積もる真っ白な雪
楽園に最後の華 彩るだろう

そうそう。

同僚の店での名前は  ソラ   でした。

勝手に消えて行きやがったヨ。

同い年同じ10月生まれだから、一緒に27歳を祝うはずだったのにサ。

先に逝きやがった。

バカなヤツ。

そう、羽奏。

秋のお彼岸の季節になると思い出し、平井堅さんを見ると思い出し。

ニヤリ

空へ毎度、悪態を吐くのです

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